止痢剤(読み)シリザイ

デジタル大辞泉 「止痢剤」の意味・読み・例文・類語

しり‐ざい【止痢剤】

下痢げりを止める薬。止瀉剤ししゃざい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「止痢剤」の意味・わかりやすい解説

止痢剤
しりざい

いわゆる下痢止めのことで、止瀉(ししゃ)剤ともいう。作用機序(メカニズム)別に分類すると次のようになる。収斂(しゅうれん)作用を利用するものにタンニン酸アルブミン次硝酸ビスマスなどのビスマス塩があげられる。中枢的に働いて小腸の運動を低下させ、腸液の分泌を抑制することによって止痢作用を現すものにアヘンアルカロイド製剤、アヘン散、アヘンチンキがある。薬用炭、天然ケイ酸アルミニウムなどの吸着剤も腸内の毒素、ガスを吸着し、止痢作用を示す。塩酸ロペラミドは腸管に直接作用して蠕動(ぜんどう)を抑制する。そのほか腸内殺菌薬として内服で用いられるアクリノールベルベリンも下痢の治療に応用されている。アクリノールとタンニン酸ベルベリンの合剤、塩化ベルベリンとゲンノショウコエキスの合剤がある。ビスマス塩は大量投与により精神障害がおこることから、一般用薬としては使用されなくなった。

[幸保文治]

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