アクリノール

デジタル大辞泉 「アクリノール」の意味・読み・例文・類語

アクリノール(acrinol)

殺菌消毒薬の一。黄色粉末で、水溶性軟膏などに用いる。乳酸エタクリジン。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「アクリノール」の意味・読み・例文・類語

アクリノール

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] acrinol ) 殺菌消毒薬。アクリジン誘導体一つ。黄色の結晶。千倍液にして消毒、洗浄に用いるほか、軟膏(なんこう)散布剤にもする。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「アクリノール」の解説

アクリノール
アクリノール
acrinol

6,9-diamino-2-ethoxyacridine lactic acid salt.C18H21N3O4(343.38).エタクリジンの乳酸塩水和物.淡黄色の結晶.融点235 ℃.水,エタノールに可溶.水溶液は緑色蛍光を発する.皮膚表面深部の殺菌消毒に用いられる.リバノール,エトジンなどの名称で市販されている.LD50 42 mg/kg(マウス,腹腔内).[CAS 1837-57-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「アクリノール」の意味・わかりやすい解説

アクリノール

殺菌消毒薬。黄色粉末で,水,エタノールに可溶。各種化膿(かのう)菌,特に連鎖球菌ブドウ球菌有効傷口の消毒,化膿性疾患に広く用いられる。主として外用,500〜2000倍の希釈液,または軟膏に配合。商品名はヘクタリン,リマオン等。リバノールはこの塩酸塩。
→関連項目リバノール

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクリノール」の意味・わかりやすい解説

アクリノール
あくりのーる
acrinol

殺菌消毒薬で、別名乳酸エタクリジン。アクリジン色素の殺菌作用の研究から1917年抗トリパノソーマ剤アクリフラビンの発見に次いで、その毒性を改良したアクリノールが1919年に発表された。バイエル社の商品名リバノールはこの塩酸塩であるが、日本薬局方名のアクリノールは水に溶けやすい乳酸塩である。黄色結晶性粉末で、普通0.1~0.2%水溶液が消毒用に、またチンク油や軟膏(なんこう)剤に配合して用いる。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクリノール」の意味・わかりやすい解説

アクリノール
acrinol

殺菌消毒薬。無臭の黄色の結晶性粉末。水,アルコールに易溶。刺激性がないので,外科,歯科,家庭用などの洗浄,うがい,軟膏,散布用に多用されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「アクリノール」の解説

アクリノール

薬に含まれる成分のひとつ。殺菌消毒薬。「乳酸エタクリジン」「リバノール」ともいう。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のアクリノールの言及

【殺菌剤】より

…(9)色素類その他 色素が殺菌効果を有することは早くから知られていた。P.エールリヒはアクリジンの抗トリパノソーマ作用を発見したが,アクリジンはアクリノールの母体であって,これがアクリノール発見の端緒となった。アクリノールは水に溶けないため乳酸塩にしてから,創傷殺菌剤としてガーゼなどに浸して使用する。…

【腸内殺菌剤】より

…古くは外用殺菌剤のうち,これらの条件に沿ったものが用いられた。フェノール化合物(クレオソートなど),アクリジン製剤(アクリノールなど),キノリン製剤(キノホルムなど)などである。しかし最近は毒性などのためほとんど用いられない(たとえばキノホルムはスモンの原因である疑いが強い)。…

※「アクリノール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android