アクリノール(読み)あくりのーる(英語表記)acrinol

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクリノール」の意味・わかりやすい解説

アクリノール
あくりのーる
acrinol

殺菌消毒薬で、別名乳酸エタクリジン。アクリジン色素の殺菌作用の研究から1917年抗トリパノソーマ剤アクリフラビンの発見に次いで、その毒性を改良したアクリノールが1919年に発表された。バイエル社の商品名リバノールはこの塩酸塩であるが、日本薬局方名のアクリノールは水に溶けやすい乳酸塩である。黄色結晶性粉末で、普通0.1~0.2%水溶液が消毒用に、またチンク油軟膏(なんこう)剤に配合して用いる。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクリノール」の意味・わかりやすい解説

アクリノール
acrinol

殺菌消毒薬。無臭の黄色の結晶性粉末。水,アルコールに易溶。刺激性がないので,外科歯科,家庭用などの洗浄うがい,軟膏,散布用に多用されている。

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