蠕動(読み)ゼンドウ

デジタル大辞泉 「蠕動」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐どう【×蠕動】

[名](スル)
ミミズなどの虫が身をくねらせてうごめきながら進むこと。また一般に、うごめくこと。「うじ虫の蠕動
「風が…ゆるやかに―して進んで居た」〈佐藤春夫田園の憂鬱
筋肉収縮波が徐々に移行する型の運動。消化管壁が食物を送る運動などにみられる。蠕動運動
[類語]うごめ蠢動しゅんどう

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精選版 日本国語大辞典 「蠕動」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐どう【蠕動】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 虫が、身をくねらせてうごめき進むこと。また、そのような、ミミズなどの虫。転じて、一般的に、物がうごめくこと。
    1. [初出の実例]「飛蠕動。无仏性」(出典:性霊集‐九(1079)奉勧諸有縁衆応奉写秘密蔵法文)
    2. 「蜘蛛の肢は生けるが如く蠕動した」(出典:刺青(1910)〈谷崎潤一郎〉)
    3. [その他の文献]〔史記‐匈奴伝〕
  3. 筋肉の収縮によって生じたくびれが、徐々に移行する型の運動。消化管壁が食物などの内容物を送る運動にみられる。蠕動運動。
    1. [初出の実例]「平人其胃に於て蜎蜎として動するの運動あり」(出典:西説内科撰要(1792)一六六章)

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普及版 字通 「蠕動」の読み・字形・画数・意味

【蠕動】じゆどう・ぜんどう

うごめく。

字通「蠕」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の蠕動の言及

【胃】より

…胃の位置は体位や呼吸運動などによって変化し,移動性に富むが,おおざっぱにいえば,上腹部の腹側(前のほう)にある。飲食物はいったん胃に滞留し,ペプシノーゲン,塩酸,粘液などからなる胃液で消化され,蠕動(ぜんどう)によってかくはんされ,糜汁(びじゆう)という粥状の食塊となって十二指腸に送られる。 胃では,消化酵素のペプシンやその作用を高めたり殺菌作用をもつ塩酸(胃酸ともよばれる)が分泌される。…

【消化】より

…たとえば,ガストリンは胃運動の促進,幽門括約部の弛緩,食道下部括約部の収縮,小腸運動と胆囊収縮の促進をひき起こし,セクレチンは食道下部括約部,胃,小腸の運動を抑制する。 消化管運動には大別して,蠕動(ぜんどう)と分節運動の二つの型式がある。(1)蠕動peristalsis 消化管の一部で内外両筋層が収縮し,この収縮が口側から肛門側に波として伝わっていく。…

※「蠕動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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