20世紀日本人名事典 「武田 麟太郎」の解説
武田 麟太郎
タケダ リンタロウ
昭和期の小説家
- 生年
- 明治37(1904)年5月9日
- 没年
- 昭和21(1946)年3月31日
- 出生地
- 大阪府大阪市南区日本橋東
- 学歴〔年〕
- 東京帝大文学部仏文科中退
- 経歴
- 東京帝大へ入学した大正15年、同人雑誌「辻馬車」に参加し、中退した昭和2年から編集責任者となり、のち「大学左派」「十月」の同人となる。3年頃から帝大セツルメントで働らき、検挙されたこともある。5年左翼イデオロギーにもとづく風俗小説「暴力」「反逆の呂律」を刊行。西鶴の影響を強く受け、7年「日本三文オペラ」を発表し、以後市井事ものの作家として活躍し、9年には名作「銀座八丁」を発表した。11年時局的な動きに対抗し「人民文庫」を創刊したが、時局の流れに勝てず、13年廃刊となった。その他の代表作に「釜ケ崎」「勘定」「一の酉」「下界の眺め」などがあり、「武田麟太郎全集」(全16巻 六興出版社)が刊行されている。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報