日本歴史地名大系 「武美郷」の解説 武美郷むみごう 群馬県:上野国多胡郡武美郷「和名抄」高山寺本・東急本ともに訓を欠く。「日本地理志料」は「無弥」と訓じ、名義不明とする。和銅四年(七一一)三月六日の多胡郡建置に際し、緑野(みどの)郡から編入された(続日本紀)。「名跡考」は旧黒熊(くろくま)村(現多野郡吉井町)に武美沼があり、これを遺名とみる。ちなみに上野国分寺跡(現群馬郡群馬町)から「武三乙一」と篦描した文字瓦が出土している。「武三」は「武美」に通ずるとすれば、当郷に居住した豪族と考えられないこともないが、明らかでない。郷域について「名跡考」は黒熊、緑埜(みどの)・西平井(にしひらい)(現藤岡市)にわたる地とし、「日本地理志料」は旧入野(いりの)村の深沢(ふかさわ)・石神(いしがみ)・小串(おぐし)(現吉井町)の地とする。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by