日本歴史地名大系 「多胡郡」の解説
多胡郡
たごぐん
当郡の成立事情は「続日本紀」和銅四年(七一一)三月六日条に「割上野国甘良郡織裳、韓級、矢田、大家、緑野郡武美、片岡郡山等六郷、別置多胡郡」とある。現
「万葉集」巻一四に「吾が恋はまさかもかなし草枕多胡の入野の奥もかなしも」「多胡の嶺に寄せ綱延へて寄すれどもあにくやしづしその顔良きに」と詠まれる「多胡入野」「多胡嶺」は比定地不明であるが郡内の地であろう。多胡の「胡」は外国あるいは渡来人のことで、渡来人が集住し、やがて建郡されたことで命名されたものと考えられる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報