武英殿聚珍版叢書(読み)ぶえいでんしっちんばんそうしょ(その他表記)Wu-ying-dian ju-zhen-ban cong-shu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「武英殿聚珍版叢書」の意味・わかりやすい解説

武英殿聚珍版叢書
ぶえいでんしっちんばんそうしょ
Wu-ying-dian ju-zhen-ban cong-shu

中国,清の叢書。『武英殿聚珍版全書』ともいう。乾隆 48 (1783) 年成立。武英殿は北京にあり,乾隆年間に刻書所がおかれ,『十三経』『二十四史』などのいわゆる殿版を刊行したところ。『四庫全書』の編纂と並行して,そのうち重要な書を選んで木活字で印行したもの。「聚珍版」とはその版式に対して乾隆帝が与えた名。経,史,子,集にわたり百四十余種の書を含み,その後しばしば各地で翻刻されたが内容に出入りがあり,現在では光緒 25 (1899) 年広東の広雅書局から出された 155種のものが広く流布している。

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世界大百科事典(旧版)内の武英殿聚珍版叢書の言及

【印刷】より

…しかし清朝の康熙時代に,来朝していたイエズス会士の指導によって銅活字が作られ,これによって《古今図書集成》など大部の印刷物が政府の手で刊行された。しかしその後まもなくこれらの銅活字は地金として流用されてしだいに失われたため,乾隆帝の時代には多数の木活字が作られ,《武英殿聚珍版叢書》などが印刷された。〈聚珍版〉は活字印刷を意味する。…

※「武英殿聚珍版叢書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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