最新 地学事典 「歪み解放曲線」の解説
ひずみかいほうきょくせん
歪み解放曲線
strain release curve
一つの地震系列について,縦軸に地震の放射波動エネルギーの平方根
を積算したものをとり,横軸に時間をとってプロットした曲線。変形回復曲線とも。弾性歪みエネルギーの平方根が歪みに比例することから,H.Benioffはこの曲線を歪み解放曲線と名づけた。しかしエネルギーの平方根を算術的に加えることは物理的に意味が明らかでなく,また積算する地震の大きさの下限を小さくとればとるほど
は際限なく大きくなるという数量的困難もあるので,歪み解放曲線という呼称はあまり適切でない。この曲線は,一定の大きさ以上の地震の数の積算曲線と本質的に同じものである。個々の曲線の形は対象とする地震の大きさの下限のとり方によって異なり,下限を大きくとると少数の大きな地震のエネルギーの統計的変動が強調され,下限を小さくとると地震の数の積算曲線に近づいていくことを宇津徳治(1967)は見いだしている。放出エネルギー積算曲線は,縦軸に地震の波動エネルギーの積算をとり,横軸に時間をとってプロットしたもの。参考文献:H.Benioff(1949) Bull. Geol. Soc. Am.,Vol.60
執筆者:南雲 昭三郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

