ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「残渣油」の意味・わかりやすい解説 残渣油ざんさゆresidue 蒸留工程の精留塔の底部から抜き出される油で,残油,釜残油とも呼ばれる。常圧蒸留残油 (常圧残油) と減圧蒸留残油 (減圧残油) がある。常圧残油はそのまま重油として燃料用としても使えるが,通常は減圧蒸留の原料油として使用される。減圧残油はアスファルト製品として使用されるほか,熱分解用原料油として熱分解装置により石油コークス,石油ピッチの製造に使われる。また脱硫した減圧軽油と混合して脱硫重油としたりもする。重質油余り,軽質油不足という傾向から,軽質製品を余剰の重質油から製造する技術が注目され,熱分解法,接触法,水素化分解法などに種々の技術進歩がみられるようになった。特に接触分解法に不向きとされた残油を利用しての新しい接触法の開発など,残油処理技術の改良開発が進められている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by