民泊新法(読み)みんぱくしんぽう

知恵蔵miniの解説

民泊新法

住宅やマンションなどの空室を利用して観光客・旅行者などに宿泊サービスを提供する民泊についてのルールを定めた法律の通称。正式名称は「住宅宿泊事業法」。2017年6月9日成立、18年6月15日施行。民泊を営む場合、従来は旅館業法簡易宿所として許可を取得するか、国家戦略特別区域法に基づく特区民泊を活用するしか方法がなかったが、同法施行後は一定の基準を満たす住宅について、届出手続を行うだけで年間180泊までの民泊営業を行うことが可能になる。外国人観光客の増加による宿泊施設不足解消の決め手として期待が寄せられる一方、住環境の悪化を懸念する声もある。

(2018-5-29)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

知恵蔵の解説

民泊新法

住宅の空き部屋に旅行者を有料で宿泊させる民泊について一定のルールを定め、健全な民泊サービスを普及させて国民の生活向上や経済発展を図るための法律。2017年6月16日に公布、18年6月15日に施行された。
民泊は近年、インターネットを活用した仲介業者の登場で急速に普及した。貸したい空き部屋を登録して宿泊客を募集する民泊は旅館業に当たるが、旅館業法の許可を受けない違法な「ヤミ民泊」も多く、衛生面や安全面が不十分だったり騒音やゴミ出しなどを巡って近隣住民とトラブルになったりしたほか、犯罪に利用されたケースもあった。一方で、訪日外国人旅行者の増加などに伴い宿泊ニーズが多様化しており、民泊ビジネスへの期待もある。そこで、厳しい許可要件のある旅館業と区別して民泊のルールを新たに定めて適正化を図ると同時に、旅館業法を改正して罰則を厳しくし、違法な民泊を取り締まることとした。
民泊新法では、民泊を「住宅宿泊事業」として位置付け、住宅の貸し手は都道府県知事に届け出ることで「住宅宿泊事業者」となり、年間180日を上限に民泊を営める。住宅宿泊事業者には、衛生確保や宿泊名簿の作成、宿泊者に騒音防止を求める説明、苦情への対応、標識の掲示などが義務付けられ、都道府県知事の監督を受ける。管理を委託する場合には、委託を受ける「住宅宿泊管理業者」は国土交通大臣の登録が必要となる。また、「住宅宿泊仲介業者」は観光庁長官の登録が必要で、登録を受けていない仲介業者への委託は禁止された。自治体によっては、平日や住居専用地域での営業を禁止するなど、条例で民泊事業の期間や区域を独自に法律より厳しく制限しているほか、マンションの管理規約で民泊を禁じる動きもある。

(原田英美 ライター/2018年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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