最新 地学事典 「氷成堆積物」の解説
ひょうせいたいせきぶつ
氷成堆積物
glaciogenic sediment ,glaciogenic deposit
氷河表面・氷河内部・氷河底で運搬されたのち堆積した岩屑・砂礫物質の総称。氷河下の地層・岩盤が氷河と一体化し,移動・変形して生成された岩屑層を含む。氷河堆積物とも。氷礫土(ティル,till)と同義。氷山に運搬された堆積物を含める場合は漂礫土(glacial drift)を使用。海域に堆積したものは氷河性海成堆積物(glaci(o)marine sediment),湖域に堆積したものは氷河性湖成堆積物または氷河湖堆積物(glaci(o)lacustrine sediment)などという。分級が悪い堆積物で氷河起源であることが不明な場合にはダイアミクトン(diamicton)が用いられる。水や風による堆積物と違って分級や成層がほとんどみられないのが特徴。大小の角礫・亜角礫と粘土分に富む細粒物質が雑然と混じる岩相は,氷河の拡大範囲や氷期の環境変遷を知る有力な手がかりになる。氷成堆積物が続成作用により固結したものをティライトまたは氷礫岩と呼び,第四紀より古い氷成堆積物に対して用いられる。
執筆者:戸谷 洋・岩田 修二・長谷川 裕彦
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

