翻訳|moraine
氷河が運搬,堆積した岩屑(がんせつ)からなる堆積物およびそれによってつくられる氷河地形の一つ。堆石ともいう。運搬途上の岩屑に対しても使用される。氷河底には氷河のもぎ取り,削磨の作用によって生産された岩屑が挟まれて運搬され,あるいは堆積しているが,これをグランド・モレーンground moraine(底モレーン,底堆石)という。谷氷河の場合に側壁に沿って運ばれるのを側方モレーンlateral moraine(側堆石)と呼び,氷河が合流して側方モレーンの一方が合流した氷河の中央に位置しつつ運ばれるのを中央モレーンmedial moraine(中堆石)という。中央モレーンと側方モレーンは,氷河の表面に乗って運ばれるので表面モレーン(表堆石)ともいう。氷河が融解,消滅する末端部まで運搬されたモレーン(終堆石)は,末端の平面形に沿って堆積し堤防状の地形をつくる。これが末端モレーン丘(堆石堤)である。氷河が縮小,後退する過程を示す数列のモレーン丘が並列することも多い。谷氷河やカール氷河の末端モレーン丘の内側はややくぼんだ舌状盆地となり,湖水をたたえることもある(氷河湖)。氷河が伸張すると末端部の既存のモレーンやその他の堆積物を押し上げて小丘を形成することがある。これがプッシュ・モレーン丘である。氷河が消滅すると,グランド・モレーンが地表に姿を現す。全般になだらかな波状地であるが,モレーンの堆積がとくに著しく行われた所にはドラムリンdrumlinなどの特異な地形もみられる。北アメリカ大陸北部や北ヨーロッパの平原は,広大なグランド・モレーン地帯となっている。
執筆者:武久 義彦
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… モルゲンロートMorgenrot[ドイツ]夜明け前に高い尾根筋がまず太陽の光を受けて赤く輝くこと。 モレーンmoraine堆石。氷河によって運ばれて堆積した土砂。…
… モルゲンロートMorgenrot[ドイツ]夜明け前に高い尾根筋がまず太陽の光を受けて赤く輝くこと。 モレーンmoraine堆石。氷河によって運ばれて堆積した土砂。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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