モレーン(その他表記)moraine

翻訳|moraine

デジタル大辞泉 「モレーン」の意味・読み・例文・類語

モレーン(moraine)

堆石たいせき2

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精選版 日本国語大辞典 「モレーン」の意味・読み・例文・類語

モレーン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] moraine ) 氷河によって運ばれた石、砂利などが、氷河の側面末端底部などに堆積したもの。氷堆石

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改訂新版 世界大百科事典 「モレーン」の意味・わかりやすい解説

モレーン
moraine

氷河が運搬,堆積した岩屑がんせつ)からなる堆積物およびそれによってつくられる氷河地形の一つ。堆石ともいう。運搬途上の岩屑に対しても使用される。氷河底には氷河のもぎ取り,削磨の作用によって生産された岩屑が挟まれて運搬され,あるいは堆積しているが,これをグランド・モレーンground moraine(底モレーン,底堆石)という。谷氷河の場合に側壁に沿って運ばれるのを側方モレーンlateral moraine(側堆石)と呼び,氷河が合流して側方モレーンの一方が合流した氷河の中央に位置しつつ運ばれるのを中央モレーンmedial moraine(中堆石)という。中央モレーンと側方モレーンは,氷河の表面に乗って運ばれるので表面モレーン(表堆石)ともいう。氷河が融解,消滅する末端部まで運搬されたモレーン(終堆石)は,末端の平面形に沿って堆積し堤防状の地形をつくる。これが末端モレーン丘(堆石堤)である。氷河が縮小,後退する過程を示す数列のモレーン丘が並列することも多い。谷氷河やカール氷河の末端モレーン丘の内側はややくぼんだ舌状盆地となり,湖水をたたえることもある(氷河湖)。氷河が伸張すると末端部の既存のモレーンやその他の堆積物を押し上げて小丘を形成することがある。これがプッシュ・モレーン丘である。氷河が消滅すると,グランド・モレーンが地表に姿を現す。全般になだらかな波状地であるが,モレーンの堆積がとくに著しく行われた所にはドラムリンdrumlinなどの特異な地形もみられる。北アメリカ大陸北部や北ヨーロッパの平原は,広大なグランド・モレーン地帯となっている。
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百科事典マイペディア 「モレーン」の意味・わかりやすい解説

モレーン

堆石,氷堆石とも。氷河が地面を浸食して生成した岩屑(がんせつ)を運搬堆積して形成した小丘地形。そのような地形をつくる堆積物をさす場合もある。土,砂,礫(れき),岩塊から構成される。おもに氷河末端に平面状か三日月状に堆積する端堆石,2氷河の合流部で氷河の中央部に堆積する中央堆石,氷食谷の側壁に細長く堆積する側堆石などがある。日本では飛騨,赤石,木曾,日高などの山地に過去の氷河の跡として存在する。
→関連項目氷河遺跡漂石ヘットナー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モレーン」の意味・わかりやすい解説

モレーン
moraine

氷堆石,堆石ともいう。氷河の流動によってもたらされた岩屑などの堆積物。その地形を堆石丘という。氷河の側壁から供給された岩屑の帯を側堆石,氷河の合流によって中央部に位置するようになった岩屑の帯を中堆石,氷河の底部に生じた岩屑の帯状堆積物を底堆石という。最終的には氷河の末端まで運ばれ,氷河の融解する場所に堆積して終堆石 (末端堆石) となる。粘土,砂,角礫などから成る。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モレーン」の意味・わかりやすい解説

モレーン
もれーん

堆石

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岩石学辞典 「モレーン」の解説

モレーン

氷堆石

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世界大百科事典(旧版)内のモレーンの言及

【登山】より

… モルゲンロートMorgenrot[ドイツ]夜明け前に高い尾根筋がまず太陽の光を受けて赤く輝くこと。 モレーンmoraine堆石。氷河によって運ばれて堆積した土砂。…

【登山】より

… モルゲンロートMorgenrot[ドイツ]夜明け前に高い尾根筋がまず太陽の光を受けて赤く輝くこと。 モレーンmoraine堆石。氷河によって運ばれて堆積した土砂。…

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