翻訳|varve
氷河の前面にできる湖に,融氷水の流れでつくられる細粒の砂層と薄い粘土層との1組の縞目がつみ重なった堆積物。縞目をつくる砂の堆積は春から夏の融氷時におこなわれるが,その後に冬に湖が凍るまでに粘土の沈殿がおこなわれる。したがってそのような砂と粘土とが,厚さ3cm以下の色の明暗で示される年輪と同じ意味の年層として,くり返し重なっている。スウェーデンのド・イェールG.De Geer(1858-1943)はこれを〈バーブ〉(反復するという意味)と名づけた。
氷河の後退した方向に,このような氷縞粘土の露頭を追ってそれぞれのところでの氷縞の層序を対比していけば,氷河が後退した時期やその速度を知ることができる。イェールは,この氷縞粘土編年法によってスウェーデン南部でのスカンジナビア氷床が後退・消失する過程を1000kmにわたって追跡した。その結果,スカンジナビア氷床がバルト海南部まで後退したダニ氷期(1万3000~1万5000年前),スウェーデン中部~フィンランド南部まで後退したゴチ氷期(1万2000~1万3000年前),およびスカンジナビア山地まで後退したフィニ氷期(8800~1万年前)と年代区分ができた。そして氷床がスウェーデンのラグンダ湖付近で二分して消失していく時期を,後氷期のはじまりのゼロ点とし,それ以後の氷縞(年)をプラス(それ以前はマイナス)にしている。フィンランドでは,サウラモM.Sauramo(1889-1958)がこの方法でゼロ点をヘルシンキ付近の終堆石から氷床が後退しはじめた点とし,イェールのゼロ点より1350年前としている。
執筆者:新堀 友行
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
varved clay
氷河湖に形成される粘土質の縞目状を呈する堆積物。縞目は氷縞(varve)と呼ばれ,やや粗い下部と,より細粒の上部からなり,両者は級化漸移する。それぞれ夏縞・冬縞と呼ばれ,合わせて1年を示す。級化は沈降速度の違いによってもできる。合わせて厚さ数mm~数cm。粗粒の縞と,その下位の細い縞との境(単層の境)は明瞭。有機物は冬縞に多く,夏縞は白色。
執筆者:志岐 常正
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