江古田沼袋原(読み)えこだぬまぶくろはら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「江古田沼袋原」の意味・わかりやすい解説

江古田沼袋原
えこだぬまぶくろはら

太田道灌と豊島一族 (→豊島氏 ) が覇権をかけて戦った古戦場で,現在の東京都中野区沼袋。現在は「えごた」と読まれている。室町時代中期,関東地方には,扇谷,山内の両上杉氏のもとに,太田,長尾両氏が台頭していた。文明9 (1477) 年4月 14日,江戸城主太田道灌が長尾氏の被官豊島泰明を討つべく平塚城を攻め放火すると,泰明の兄石神井城主豊島泰経は,江戸城を攻撃するため軍を進めた。両軍は江古田沼袋原で対峙し,さらに泰明軍がこれに合流して大合戦となった。一族の赤塚,板橋氏らも戦死し,泰経はかろうじて石神井城へ逃れたが,同 21日には攻め落され,ここに道灌の武蔵野における地位が確立した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android