ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「江橋節郎」の意味・わかりやすい解説
江橋節郎
えばしせつろう
[没]2006.7.17. 愛知,岡崎
薬理学者。 1944年東京帝国大学医学部卒業。 1959年アメリカ合衆国のロックフェラー研究所客員研究員,同年東京大学医学部教授,1963年カリフォルニア大学客員教授,1971年東大理学部教授,1974年ハーバード大学医学部客員教授を歴任。 1983年に東大退官後,岡崎国立共同研究機構生理学研究所教授,同研究所長,同機構長を歴任。筋肉収縮の分子生理学的機構の研究で,調節因子としてのカルシウムの役割を発見し,その調節機構を明らかにした。また,カルシウムの受容体蛋白としてのトロポニンの存在を明らかにし,その役割も解明した (1965) 。さらにカルシウムが関与する他の生理過程に研究領域を広げた。また,筋ジストロフィー患者に血清中クレアチンホスフォキナーゼ活性が極めて高いことを発見,これをもとに潜在性筋ジストロフィー発見法の基礎を築いた。 1972年学士院賞恩賜賞,1999年国際生物学賞などを受賞,1975年文化勲章を受章。
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