日本大百科全書(ニッポニカ) 「江西龍派」の意味・わかりやすい解説
江西龍派
こうせいりゅうは
(1375?―1446)
室町時代の臨済(りんざい)宗の僧。五山文学の詩文に優れる。下総(しもうさ)(千葉県)香取(かとり)郡東庄(とうのしょう)の人。歌人の東常縁(とうつねより)の伯父。木蛇(もくだ)老人、豩庵(ひんあん)、続翠(ぞくすい)などと号す。建仁(けんにん)寺の一庵一麟(いちあんいちりん)(1329―1407)に参じ、黄龍(おうりょう)派の禅を学び、その法を嗣(つ)いだ。建仁寺、南禅寺に住したが、のち建仁寺霊泉院内に続翠軒を構えて退隠した。文安(ぶんあん)3年8月15日寂。希世霊彦(きせいれいげん)(1403―1488)は文学上の弟子。著書に『続翠詩集』のほか、蘇軾(そしょく)の詩を抄した『天馬玉津沫(てんばぎょくしんまつ)』、杜甫(とほ)の詩を抄した『杜詩(とし)続翠抄』などがある。
[藤岡大拙 2017年7月19日]