化学辞典 第2版 「活性化吸着」の解説
活性化吸着
カッセイカキュウチャク
activated adsorption
活性化エネルギーを必要とする吸着.二重促進鉄触媒上の窒素吸着はその典型的例であり,活性化エネルギーおよび吸着熱として,それぞれ67および146 kJ mol-1 の値が得られている.この吸着は低温では平衡に達しないので,温度をあげると吸着速度が増すために吸着量が増加し,発熱過程である吸着と見掛け上矛盾する結果を生じる.活性化エネルギーの原因は,解離吸着の際の分子内結合の切断にあると考えられるが,きわめて清浄な固体,蒸着膜表面では,同じ分子の吸着でも瞬間的に生じて活性化エネルギーを必要としない場合があり,表面構造の違いや強吸着不純物の影響が大きいことを示している.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報