朝日日本歴史人物事典 「浅井きを」の解説
浅井きを
生年:宝暦9(1759)
江戸中・後期の心学者。江戸に開いた参前舎を拠点に広範な教化活動を行った心学者中沢道二の弟子。御家人浅井喜太郎の妻。夫婦共に熱心に心学に励み,寛政1(1789)年には,きをが参前舎での道二の道話『道二翁前訓』を聞き書きしている。同5年春ごろから,招かれて大奥の女性たちに心学の手引きをし,その後,紀州家,一橋家,田安家などの奥女中にも呼ばれて道話をし,こうした階層の女性たちへの心学の普及に貢献した。道二没後,69歳のとき,のちに参前舎の舎主となる中村徳水を見出し,道二直筆の書を送って激励した。<参考文献>石川謙『石門心学史の研究』,小杉巌「心学と女性」(『日本女性文化史』下)
(関民子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報