イギリスの技術者。リーズに近いオースソープに生まれ、幼時から機械の才を示した。1750年自ら工場を設立して航海・天文用具の製作を行う一方、機械に関する報告を王立協会に提出し、1753年会員に選ばれた。翌1754年ベルギーとオランダを旅行して水路を見学、その経験を自国の水路改修などに生かした。1756~1759年エディストン灯台の再建に従事した際、古代ローマ以来忘れられていた水硬性の強い石灰モルタルを使用、これは19世紀初頭の人工セメント工業の発端となる。灯台のほか、橋、運河、港湾の工事に関係し、人工の港ラムズゲートの工事も完成させた。1771年これらの建設事業に参加した人々が自主的に結集してシビル・エンジニアと自称するようになり、その指導者と目され、この組織に属する人たちはスミートニアンとよばれた。
水車の設計と改良を科学的に行い、模型を自作し精密な試験を行った。風車、とくに翼について研究し、論文「車を回す水および風の自然力に関する実験的研究」を発表した(1759)。またニューコメン機関の効率を倍加し、性能をこの形式での極限にまで高めた。さらに製鉄技術にも貢献し、1761年キャロン製鉄所にシリンダー送風機を導入、またシリンダーを削るための中ぐり盤の発明(1769)もある。土木、機械など多方面に業績を残した技術者であり、「18世紀のレオナルド・ダ・ビンチ」と評されることもある。
[山崎俊雄]
イギリスの土木技術者,機械工学者。エディストン灯台の再建(1756-59)を手がけ,それに必要な水硬性セメント(ローマンセメント)を開発した。その後,運河や港湾施設の工事でも手腕をふるい,土木技術者として名を高める。1753年,ローヤル・ソサエティの会員となる。軍事工学に対する平和技術としての土木工学civil engineeringの意義を強調し,土木技術者協会の創設に尽力した。
一方,機械技術ことに動力機関の効率に関しても早くから関心を抱き,水車,風車,ニューコメン機関の改良をすすめるとともに,その動力を利用した送風炉の開発にも貢献した。またその過程で,シリンダー用の中ぐり盤を制作したことでも有名である。スミートンは単なる発明家に終わらず,スケール・モデルによる実験を基礎にして,機械の科学的研究の基礎を築いた点で,機械工学の先駆者ともいえよう。
執筆者:奥山 修平
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