浅黄裏(読み)あさぎうら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「浅黄裏」の意味・わかりやすい解説

浅黄裏
あさぎうら

浅黄色(浅葱(あさぎ)。緑がかった薄い藍(あい)色)の木綿布を裏地に用いた着物。浅葱(あさぎ)裏とも書く。江戸時代、この着物がじょうぶで実用性に富むことから、広く庶民の間で着用され、一時流行した。江戸勤番の下級武士の間では、のちのちまで愛用され続けたことにより、浅黄裏は田舎(いなか)出の下級武士の代名詞となった。とくに江戸の遊里吉原では、浅黄裏で登楼する流行遅れの頑迷野暮(がんめいやぼ)な遊客の典型である田舎侍に対する蔑称(べっしょう)でもあった。

[棚橋正博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

スキマバイト

働き手が自分の働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就くこと。「スポットワーク」とも呼ばれる。単発の仕事を請け負う働き方「ギグワーク」のうち、雇用契約を結んで働く形態を指す場合が多い。働き手と企...

スキマバイトの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android