日本大百科全書(ニッポニカ) 「浜魚」の意味・わかりやすい解説
浜魚
はまうお
shore fish
砂地の海岸(浜)にすむ魚、または浜からとった魚の総称。岩石や海藻が多い磯(いそ)にすむ磯魚と区別して用いられる。浜は磯に比較して地形が単純であり、餌(えさ)となる生物の種類が比較的少ないので、ここに定住する魚類の種類は相対的に少ない。浜の海底またはその近くに定住するものとしては、ヒイラギ類、コノシロ類、アナゴ類、ハモ類、タチウオ類、キス類、ハゼ類、ネズッポ類、コチ類、カレイ・ヒラメ類などが代表的である。これらの魚は海底にすむ多毛類、甲殻類、貝類などの小動物をおもな餌としている。
浜にはプランクトンを主食とするイワシ類、アジ類、そのほかの回遊魚が来遊する。プランクトンはとくに河口域付近に多いので、地引網漁場、イワシシラス漁場などの、よい漁場が形成される。
[落合 明・尼岡邦夫]