生育期の大部分を沿岸の岩礁域に定着して生活する魚をいう。磯は水の流れが複雑で餌(えさ)となる生物も比較的豊富であり、浜に比べて魚の種類や個体数が多い。とくにスズキ目の魚が多く、ハタ類、イシダイ、クロダイ、メジナ、ブダイ類などは代表的なものである。磯魚の多くは、季節によって著しく生息場所が変動する。水温が低下しだす晩秋から磯を離れて沖合いの深所で越冬し、水温が上昇してくる早春から磯へ移動して盛んに餌を食べて成長する。また、磯には海藻が繁茂するので、晩春から夏にかけて孵化(ふか)した幼魚の生育場所でもある。
暖流の勢力が強い磯は、サンゴ礁型、黒潮岩礁型、対馬(つしま)暖流岩礁型の3型に分類できる。サンゴ礁型では造礁サンゴ類が繁殖するので、この型の海域にはサンゴのポリプを食べるチョウチョウウオ類、スズメダイ類、ベラ類、カワハギ類などのほか、海藻を食べるアイゴ類、ニザダイ類、ブダイ類などが多くすむ。温帯域の黒潮岩礁型の魚類相はサンゴ礁型に似る。一方、対馬暖流岩礁型は太平洋側とはかなり異なり、ウミタナゴやメバル、ハツメ、ウスメバルなどのメバル類など日本で分化した魚が多く生息しているが、太平洋側に比べると魚類相はかなり貧弱である。なお、磯魚のうち、ハタ類、イシダイ、クロダイなどは、釣りの対象魚として人気があるほか、高級魚として扱われているが、いずれも漁獲量は多くない。
[落合 明・尼岡邦夫 2015年6月17日]
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