化学辞典 第2版 「海水マグネシア」の解説
海水マグネシア
カイスイマグネシア
sea water magnesia
海水から得られるマグネシア.マグネシアは酸化マグネシウムMgOの慣用名で,苦土ともいう.工業的には,炭酸マグネシウム,または水酸化マグネシウムをか焼してつくる.わが国では,炭酸マグネシウム鉱石資源がなく,海水中のにがりから製造しており,これをとくに海水マグネシアという.海水中では,おもに Mg2+,MgSO4として存在し,海水中での金属元素の存在量としてはナトリウムにつぐ(1350 ppm).海水(Mg塩1~2 g L-1)に石灰乳を加えると,石灰分は溶け出し,水酸化マグネシウムの沈殿をつくる.濾過,水洗,乾燥してから600~800 ℃ でか焼すると軽質マグネシアとなり,さらに1500 ℃ 以上の高温焼成により重質マグネシアとなる.マグネシアクリンカー用としてはMgOの融点を下げないため,CaO含量1~2% 以下が必要である.[CAS 1309-48-4:MgO]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報