金属元素(読み)キンゾクゲンソ(その他表記)metallic element

デジタル大辞泉 「金属元素」の意味・読み・例文・類語

きんぞく‐げんそ【金属元素】

単体金属を形成する元素。地球上に存在する約100種の元素のうちカリウムナトリウムなど約70種がある。

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精選版 日本国語大辞典 「金属元素」の意味・読み・例文・類語

きんぞく‐げんそ【金属元素】

  1. 〘 名詞 〙 一般に単体として金属を形成する元素。その性質によって、軽金属重金属貴金属卑金属遷移元素金属と典型元素金属などに分類する。〔現代文化百科事典(1937)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金属元素」の意味・わかりやすい解説

金属元素
きんぞくげんそ
metallic element

単体が金属を形成する元素をいう。長周期型周期表で図の左下方が一般に金属元素である。これに対し、右上方が非金属元素であるが、その中間的な性質をもつ元素もある。たとえば、ゲルマニウムGe、ヒ素As、ビスマスBi、セレンSe、テルルTe、アスタチンAtなどは金属性の単体と非金属性の単体とがあり、半金属ということもある。一般に金属元素の水酸化物は塩基性で、酸の水素と置換して塩をつくり、結晶中ではイオンとして存在することが多い。

[中原勝儼]

『田中良平著『耐熱合金のおはなし』(1990・日本規格協会)』『長谷川良佑著『レアメタル――機能材料の金属元素』(1992・産業図書)』『糸川嘉則・五島孜郎編『生体内金属元素』(1994・光生館)』『桜井弘著『金属は人体になぜ必要か――なければ困る銅・クロム・モリブデン…』(1996・講談社)』『日本化学会編『教育現場からの化学Q&A』(2002・丸善)』『日本化学会編『実験化学講座23 無機化合物』第5版(2005・丸善)』


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改訂新版 世界大百科事典 「金属元素」の意味・わかりやすい解説

金属元素 (きんぞくげんそ)
metallic elements

単体が金属の性質をもつ元素。元素の大多数は金属元素である。ふつう,周期表の上で,ホウ素B-ケイ素Si-ヒ素As-テルルTe-アスタチンAtを斜めに結んだ線を,ほぼ金属元素と非金属元素の境界線とし,その左側,下側の元素をすべて金属元素,右側,上側(および境界線上)の元素を非金属元素として元素を分類することが多い。しかし境界線付近のケイ素,ゲルマニウム,スズ,ヒ素,アンチモン,ビスマス,テルルなどの元素はしばしば両者の中間的な挙動を示し,条件によって金属的な形態と非金属的な形態をとるものや,半導体となるものなど,一連の特異な性質が現れる。そのため,これらを〈半金属metalloid〉と呼ぶこともある。金属元素はまた〈化学変化によって陽イオンになりやすい元素〉,すなわち電気的陽性の元素とも定義される。ポーリング電気陰性度の表を見ると,その値が大きい元素は非金属元素,1.7より小さい元素は一般に金属元素で,2.0前後の元素がいわゆる半金属になることが知られる。金属元素はその密度(比重)によって軽金属・重金属に,イオン化傾向によって貴金属・卑金属に,また周期表上の位置によってアルカリ金属アルカリ土類金属・土類金属元素,鉄族元素,白金族元素などに分類される(各項参照)。周期表の中央を占める遷移元素はすべて金属であるから,遷移金属とも呼ばれる。
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