朝日日本歴史人物事典 「海野幸典」の解説
海野幸典
生年:寛政6.11.14(1794.12.6)
江戸後期の歌人。通称源兵衛。号游翁,柳園。江戸下谷に住んだ。松江藩に仕え,のち幕臣となる。前波黙軒に和歌を学んだ。また僧玄如を介して香川景樹とも対面し,景樹の倨傲に驚きながらもその実力に心服したむねの逸話を伝えている。幕末の江戸歌人として地位を築いていたが,歌学の実力は必ずしも高いものではなかった。小沢蘆庵の影響を受けた平易な歌風に特徴があるといえよう。家集に『柳園家集』がある。<参考文献>丸山季夫「海野游翁とその書簡」(『国学史上の人々』)
(久保田啓一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報