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浸炭法 しんたんほうcarburizing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

浸炭法
しんたんほう
carburizing

鉄鋼材料などの表面に炭素を拡散浸透させる表面硬化法。浸炭剤の種類によって,固体浸炭,液体浸炭,ガス浸炭に分けられる。これらの方法は,その目的,被処理材の形状や大きさ,処理量,経済性などにより使い分けられている。 (1) 固体浸炭法 木炭を主剤として,炭酸塩 ( BaCO3 ,Na2CO3 ) や食塩 ( NaCl ) などの促進剤と混合した浸炭剤中に被処理材を入れ,1000℃付近の温度で熱処理をする。操作が簡単であることが特徴である。 (2) 液体浸炭法 青酸塩 ( NaCN,KCN ) を主成分とする溶融塩を浸炭剤とし,800℃付近の温度で処理する。浸炭と同時に窒化も伴うので,浸炭窒化法とも呼ばれる。耐摩耗性にすぐれ,ひずみが少なく,量産が可能。有害な青酸塩を用いるために,厳重な注意が必要である。 (3) ガス浸炭法 原料ガスとして天然ガス,都市ガス,木炭ガス,発生炉ガスなどが用いられる。これにアンモニアガス NH3 を加えると浸炭窒化となる。連続操業,多量処理が可能で工業的に有利。ほかに,炭化水素をイオン化するプラズマ浸炭 (イオン浸炭) がある。

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世界大百科事典内の浸炭法の言及

【鉄】より

…新王国時代のハットゥシリ3世(在位,前1275ころ‐前1250ころ)は,アッシリア王と思われる外国の君主に,依頼された良質の鉄の提供を在庫品がないことを理由に断り,その代りに一振りの鉄剣を送付するという手紙を書いている。この手紙は,当時のヒッタイトに他国がうらやむ高度の製鉄技術,おそらく浸炭法による製鋼技術の開発と厳重な鉄の国家統制,技術の国外流出に対する強い警戒心の存在を証しているとされてきた。この解釈はまた,前12世紀の鉄器時代の到来を,独占されていた技術がヒッタイト帝国の滅亡によって拡散した結果としてうまく説明しているので,広く受け入れられてきた。…

※「浸炭法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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