消衰距離(読み)しょうすいきょり(その他表記)extinction distance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「消衰距離」の意味・わかりやすい解説

消衰距離
しょうすいきょり
extinction distance

X線や電子線 (→電子ビーム ) が完全結晶に入射したとき,ブラッグ反射 (→ブラッグの条件 ) により回折波が生じるために入射波強度減少する。その減少の程度を表わす距離をいう。回折波が入射波と同じ結晶表面から出る場合は,指数関数的に減衰する入射波の強度が1/eとなる距離で表わす。回折波が結晶を透過する場合は,入射波が完全に回折波になるまでの距離である。後者の場合は回折波は再び同じ格子面によって反射されて入射波になり,波のエネルギーは消衰距離の2倍を周期として入射波と回折波との間を往復する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 ブラッグ

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android