知恵蔵 「淡路島産の翼竜」の解説 淡路島産の翼竜 兵庫県淡路島の白亜紀層からは、従来、南あわじ市の西淡(せいたん)層(約7500万年前)産のアズダルコ科翼竜の頸椎(けいつい)と思われる化石が報告されていた。一方、同じ南あわじ市に分布する北阿萬層砂岩(約7000万年前)から、かつてアンモノイド類のバキュリテスとして報告されていた化石が最近再検討され、アズダルコ科(?)翼竜の第四中手骨の一部であると同定記載された。化石は保存全長約13.5cmで、著しく薄い骨壁、外側表面がつやつやと、しゅす状に滑らかなことから翼竜化石と分かり、骨軸の断面がD型をなすので翼中手骨と判明した。中手骨の長さから翼指竜類であると分かるが、軸幅が顕著に挟まることや遠位観で横断面が太り気味のD型を呈し、カナダ恐竜公園層産のアズダルコ類の中手骨や、米国テキサスのジャベリナ層産ケツァルコアトルスの中手骨と類似する。 (小畠郁生 国立科学博物館名誉館員 / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by