中国の軍系航空機メーカー「成都飛機(航空機)工業」が開発した無人偵察・攻撃機。全長約9メートル、翼幅約14メートル。最高速度は時速280キロで、航続距離4千キロ、連続飛行時間は20時間。2013年9月に沖縄県・尖閣諸島付近に飛来した無人機は「翼竜」だったとの指摘もある。12年、中国・珠海での航空ショーで一般公開され、輸出もしている。(共同)
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
中生代の空に進出した爬虫(はちゅう)類。双弓(そうきゅう)亜綱主竜下綱翼竜目。鳥やコウモリと違って、手の4番目の指が長く伸びて四つの部分にくぎれ、皮の翼が張られていた。残りの指は小さくて、鉤(かぎ)状のつめをなし、岩や大枝にぶら下がるのに使われたらしい。骨は鳥のように軽く中空で、しかしじょうぶであった。胸骨が大きく、それには翼を動かす筋肉がついていた。骨盤が小形なので、たぶん卵生で卵も小さかったと考えられていたが、2004年になって、アルゼンチンと中国の白亜紀前期の地層から、初めて卵化石が発見された。ともに楕円(だえん)形で、縦約6センチメートル、横約2~3.5センチメートルであった。海岸の崖(がけ)に近い所で大きな群れをなして生活し、昼は上昇気流にのり、夕暮れには岩陰などを隠れ場所とし、コウモリのように頭を下向きにぶら下がって眠ったのかもしれない。翼の膜が破れると飛べなくなったであろう。
原始的なランフォリンクス亜目Rhamphorhynchoidea(ランフォリンクス類)は三畳紀後期に出現し、ジュラ紀末に絶滅した。その代表属はジュラ紀後期のランフォリンクスRhamphorhynchusで、短い頸(くび)と長い尾をもち、小形で、細長い吻部(ふんぶ)に細い歯があり、魚を食べたらしい。進んだタイプのプテロダクチルス亜目Pterodactyloidea(プテロダクチルス類)はジュラ紀後期に現れ、白亜紀末に絶滅した。一般に大形である。白亜紀後期のプテラノドンPteranodonは翼を広げると8メートルもあり、頭骨は細長く後ろに伸び、長いくちばしには歯がない。プテロダクチルスPterodactylusはジュラ紀後期から白亜紀前期にいたが、全長約20センチメートルしかなく、尾が短く翼が広い。あごの前部に小さな薄い歯がすこしばかりついている。翼竜は属によってあごと歯が多様に分化しており食性もさまざまで、食餌(しょくじ)も魚や貝、プランクトン、木の実、死肉と違っていたらしい。空気力学的特性は、むしろグンカンドリやグライダーに近い。恒温性を獲得していた可能性がある。翼竜は日本でも北海道、本州、九州の白亜紀層から産出が報じられている。
[小畠郁生]
『ペーター・ヴェルンホファー著、渡辺政隆訳『翼竜』(『動物大百科 別巻2』1993・平凡社)』▽『杉本剛著「翼竜の力学」(小畠郁生編『恐竜学』所収・1993・東京大学出版会)』▽『金子隆一・中野美鹿・長尾衣里子著『翼竜の謎――翼竜・首長竜・魚竜の時代』(1995・二見書房)』
中生代ジュラ紀から白亜紀にかけて栄えた飛行性の爬虫類(目)Pterosauria。骨は軽く,頭は比較的大きい。眼窩(がんか)は大きく,強膜輪のあることが多い。円錐形の鋭い歯をもつものが多い。椎骨は前凹あるいは両凹。胸骨は大,鎖骨はない。肩甲骨と烏口骨(うこうこつ)は細長い。前肢第4指は長く伸び翼の支柱となる。第1~3指は小さく鉤(かぎ)状になり,第5指は退化する。翼竜類は嘴口竜(しこうりゆう)亜目と翼指竜亜目の二つに大別される。前者はランフォリンクスRhamphorhynchusで代表される原始的な翼竜類で,2科ある。ジュラ紀に栄えた。比較的小型のものが多く,尾骨が長い。後者はプテラノドンで代表される進歩した翼竜類で,3科ある。白亜紀に栄えた。形態的に多様化し,大型のものが含まれる。オルニトデスムスOrnithodesmusやガロダクチルスGallodactylusなどでは歯は口の前方に偏在し,ズンガリプテルスDsungaripterusでは逆に後方に偏在する。プテラノドンは歯が退化し,プテロダウストロPterodaustroではヒゲクジラのようなひげ状になる。グナトサウルスGnathosaurusでは全体に多数の歯が生えている。ランフォリンクスに近いジュラ紀後期のソルデスSordesはカザフ地方で発見された。翼の痕跡が明瞭であり,毛状様の印象が観察されることから,少なくとも翼竜の一部にはコウモリのような体毛を具えたものがあり,それらは温血性の爬虫類であった証拠だといわれている。同じ堆積物中からコウモリダニに似た寄生虫の化石が産出していることも有力な支持を与えている。彼らの生活は概して哺乳類のコウモリに似た生活形式をとっていたと思われる。産出する地層は海成層が多く,おそらく海浜付近を中心に分布していた。
執筆者:長谷川 善和
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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