渋谿埼(読み)しぶたにのさき

日本歴史地名大系 「渋谿埼」の解説

渋谿埼
しぶたにのさき

二上ふたがみ山の海に臨む一帯を渋谿といい、山脚が海に落込み、岩礁が露出している地点を渋谿埼と称した。「万葉集」にしばしば詠まれ、「越中国歌」(巻一六)にも「渋谿の二上山」の鷲の営巣が歌われた。大伴家持は渋谿埼の景勝をこよなくめで、あるいは渋谿の巌上の都万麻つままの老樹の神さびた姿を歌った。渋谿(谷)の名を詠入れた作七首。ほかに題詞に渋渓崎と明記されたもの一首。また家持が弟の死去を悼み「越の海の荒磯の波も見せましものを」(巻一七)と歌ったのも、渋谿埼に打寄せる波であったろう。「八雲御抄」には「磯」「崎」「沢」の各項に「しぶたに」が挙げられているが、「沢」は何かの誤りであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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