高岡市(読み)タカオカシ

デジタル大辞泉 「高岡市」の意味・読み・例文・類語

たかおか‐し〔たかをか‐〕【高岡市】

高岡

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日本歴史地名大系 「高岡市」の解説

高岡市
たかおかし

面積:一五〇・三八平方キロ

県の北西部に位置し、富山湾に面する。東は新湊市、射水いみず大島おおしま町・大門だいもん町・小杉こすぎ町、南は砺波となみ市、西は西礪波にしとなみ福岡ふくおか町、北は氷見ひみ市。市域のほとんどが庄川下流左岸にあり、二上ふたがみ山地の裾野を東流する小矢部おやべ川が伏木ふしき地区で富山湾に注ぐ。庄川の旧河道の一つ千保せんぽ川が市街地の西端を流れ、南部の標高二〇―二五メートル地帯は、庄川扇状地の扇端部にあたり湧水地帯となっている。庄川右岸には芹谷野せりだにの丘陵の北部に広がる中田なかだ地区と一時新湊市に含まれていたこともある牧野まきの地区がある。市街の中心地を形成している関野せきの台地は近世に入って、前田利長が高岡城を置いたことにより開けた。近世、市域は射水郡と礪波郡に属した。市北部の二上山地は旧射水郡を氷見庄と二分し、その北東端に位置する伏木地区には古代に越中国府などが置かれた。牧野地区は中世に守護所のあった放生津ほうじようづ(現新湊市)の後背地として栄えた。また小矢部川左岸、旧礪波郡の国吉くによし地区は近世初頭から生産性の高い地域と考えられ、戸出といで・中田地区は庄川改修によって安定し、近世には湧水を利用しての布晒、近代では女子労働力を利用する繊維産業が発達した。現在、市内を国道八号・一五六号・一六〇号・四一五号などが通り、鉄道にはJR北陸本線・氷見線・城端じようはな線、加越能鉄道万葉線がある。市名は慶長一四年(一六〇九)前田利長が築いた高岡城による。

〔原始〕

旧石器時代の遺跡は高岡台地北端の古定塚ふるじようづか遺跡と、太田おおた地区の岩崎いわさき遺跡・御庭先おにわさき遺跡が知られる。縄文時代の遺跡は高岡台地上に御物石器の出土で著名な中川なかがわ遺跡と小竹藪おだけやぶ遺跡、庄川扇状地扇端部にあたる南西部地域にはいずみおか遺跡や高田新たかたしん遺跡・駒方こまがた遺跡など晩期の遺跡、二上山周辺から西山にしやま丘陵にも勝木原のでわら遺跡を代表として点在する。弥生時代の遺跡は南西部地域に集中し、石塚いしづか遺跡・下佐野しもさの遺跡・寺野てらの遺跡などがある。ほかにも赤祖父あかそふ頭川ずかわ新庄川しんしようがわの遺跡などが知られる。古墳は国の史跡に指定されている二基の前方後円墳と一四基以上の円墳で構成されている太田地区の桜谷さくらだに古墳群・国分山こくぶやま古墳群・矢田上野やたうわの古墳群、あるいは板屋谷内いたややち古墳群など、二上山周辺から西山丘陵にかけて多数発見されており、県下最密集地域の一つである。江道えんどうや頭川では横穴墓群も知られる。近年は市南西部の石塚遺跡で前方後円墳と方墳、中田地区の常国つねくに遺跡で円墳が発掘され、平野部の古墳として注目されている。古墳時代の集落遺跡としては、守山もりやま地区の須田藤の木すだふじのき遺跡がある。


高岡市
たかおかし

2005年11月1日:高岡市と西礪波郡福岡町が合併
【高岡市】富山県
【福岡町】富山県:西礪波郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高岡市」の意味・わかりやすい解説

高岡〔市〕
たかおか

富山県北西部,砺波平野の北部,庄川の下流左岸にある市。小矢部川が北東流して富山湾に注ぎ,西で石川県に接する。1889年市制。1942年伏木町と守山村,能町村,野村,佐野村,二塚村の 5村,1949年福田村,1951年国吉村,牧野村の 2村,1953年太田村,石堤村,東五位村の 3村,1954年小勢村,1955年立野村,1966年戸出町,中田町の 2町をそれぞれ編入。2005年福岡町と合体。古代から開け,小矢部川河口の伏木には越中国の国府,国分寺が置かれた。中心市街地は慶長14(1609)年金沢藩 2代藩主前田利長が築城し地名を高岡と改め,城下町として発展。元和の一国一城令により高岡城が廃城となってからは商人の町,職人の町となり,今日の商工業都市の性格が形成された。伝統的な工芸品として銅器,漆器,捺染,仏壇があり,近代工業としてアルミニウムサッシや家庭用品のアルミニウム成型,化学,鉄鋼,紙パルプなどの工場がある。伏木は江戸時代には年貢米積出港として栄えた。庄川扇状地末端の湧泉地帯では養鯉業が盛ん。北部の二上山は越中国守で万葉の歌人大伴家持の歌で知られ,雨晴海岸とともに能登半島国定公園に含まれる。旧跡も多く金沢藩の菩提寺で曹洞宗の瑞龍寺は仏殿,法堂,山門が国宝,総門,禅堂などが国の重要文化財に指定。気多神社本殿,武田家住宅,菅野家住宅,勝興寺の本堂なども国指定重要文化財。高岡御車山祭の御車山行事(→御車山祭)は国の重要無形民俗文化財に指定されており,2016年に「山・鉾・屋台行事」の一つとして国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界無形遺産に登録された。また,行事に使われる御車山は国の重要有形民俗文化財に指定。桜谷古墳は国指定史跡。JR北陸本線が市域を横断し,高岡駅で城端線と氷見線を分岐。鉄道と軌道からなる万葉線は富山新港に通じる。能越自動車道が一部開通し,国道8号線が市域を横断するほか,岐阜市からの 156号線,七尾市からの 160号線,富山市からの 415号線が集まる交通の要所。面積 209.57km2。人口 16万6393(2020)。

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