改訂新版 世界大百科事典 「減税国債」の意味・わかりやすい解説 減税国債 (げんぜいこくさい) 減税の特典のついた国債をいう。1949年3月のドッジ・ライン以降,日本の財政は収支均衡主義がとられてきたが,53年度に至り,国民貯蓄水準の上昇と,法人と個人からの強い減税要求を背景に特別減税国債が発行された。発行条件は年利率4%と低率であったが,民間資金の吸収を図るため,応募した個人・法人に対して応募額の一定割合(個人25%,法人21%)の税の軽減措置を講じた。発行予定額は200億円であったが,実績は142億円にとどまった。これは見返り資金特別会計の承継資産から生ずる収入金などとともに産業投資特別会計の原資となり,電力,海運などの重要基幹産業に投資する資金に使われた。執筆者:富田 俊基 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by