渡守(読み)わたしもり

精選版 日本国語大辞典 「渡守」の意味・読み・例文・類語

わたし‐もり【渡守】

  1. 〘 名詞 〙 奈良時代以後、渡船場旅客や牛馬・貨物を運送する船頭船子。わたりもり。川守。渡し。
    1. [初出の実例]「檝櫓(かち)を取りて密かに度子(ワタシモリ)(〈別訓〉わたりもり)に接(まし)りて」(出典日本書紀(720)仁徳即位前(前田本訓))

わたり‐もり【渡守】

  1. 〘 名詞 〙わたしもり(渡守)
    1. [初出の実例]「檝櫓(かち)を取りて密かに度子(ワタリモリ)(〈別訓〉わたしもり)に接(まし)りて」(出典:日本書紀(720)仁徳即位前(前田本訓))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の渡守の言及

【渡し】より

…こうした運脚夫たちを接待する施設として渡しの近くにも布施屋(ふせや)が政府によって,また行基のような僧侶によってつくられたことが知られる。【千田 稔】
[渡船場と渡し守]
 荒川の多い日本では,通常時は徒渉可能でも,降水・出水時に渡船を必要とする場合が多く,架橋の多くなる近世,近代においてまでも,渡し賃を目当てとする渡船場と渡し守が存在した。それは必ずしも零細なものでなく,古代社会では,妻訪(つまどい)の旅の途次の景行天皇から渡し賃を取った摂津国高瀬済の度子(わたしもり)の説話が伝えられている(《播磨国風土記》)。…

【渡し】より

…こうした運脚夫たちを接待する施設として渡しの近くにも布施屋(ふせや)が政府によって,また行基のような僧侶によってつくられたことが知られる。【千田 稔】
[渡船場と渡し守]
 荒川の多い日本では,通常時は徒渉可能でも,降水・出水時に渡船を必要とする場合が多く,架橋の多くなる近世,近代においてまでも,渡し賃を目当てとする渡船場と渡し守が存在した。それは必ずしも零細なものでなく,古代社会では,妻訪(つまどい)の旅の途次の景行天皇から渡し賃を取った摂津国高瀬済の度子(わたしもり)の説話が伝えられている(《播磨国風土記》)。…

※「渡守」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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