温度刺激検査(読み)おんどしげきけんさ(英語表記)caloric test

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「温度刺激検査」の意味・わかりやすい解説

温度刺激検査
おんどしげきけんさ
caloric test

温度眼振試験ともいう。内耳刺激による平衡機能検査の一つ。冷水あるいは温水を外耳道に注いで,内耳の外側半規管を刺激する。頭部水平面より 30度挙上した仰臥位で,体温より低温の水を注入すると,注水側と反対側に向う水平眼振が発現し,体温より高温の水を注入すると,注水側向きの水平眼振が発現する。この眼振 (律動的に反復する眼球運動) の潜伏時間,持続時間,眼球速度などを測定し,左右を比較すると,半規管の反応性を判定したり,病巣部位を診断するうえで役立つことが多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の温度刺激検査の言及

【三半規管】より

…この動きもまた膨大部の感覚細胞を刺激して,前庭神経,脳幹,小脳,外眼筋へと伝えられて眼振を生じ,刺激された人はめまいを感ずる。これは温度刺激検査と呼ばれ,平衡機能検査の中の重要なものの一つとなっている。 このように三半規管は身体の平衡に深く関係しているため,ここが障害されると激しいめまいが起こってくる。…

【平衡機能検査】より

…眼振をみる検査には,注視眼振検査,フレンツェルの眼鏡を用いて行う頭位眼振・頭位変換眼振の検査がある。また,体温より低い温度の水や温かい温度の湯を外耳道に注入して,内耳や内耳神経を刺激してその反応をみる検査(温度刺激検査),あるいは身体を回転させて起こる眼振の反応をみる検査(回転検査)が行われる。さらに,眼の前を動くものを見させて,眼の動きに異常がないかどうかをみる検査(視運動性眼振検査,視標追跡検査など)がある。…

※「温度刺激検査」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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