朝日日本歴史人物事典 「源季貞」の解説
源季貞
平安末期の武将。歌人。清和源氏源満政の子孫。父は源重時の養子季遠。仁平3(1153)年滝口(滝口武者),右馬少允,右衛門尉と進む。検非違使を兼ね治承5(1181)年従五位下。源大夫判官と呼ばれた。御幸の供奉など形式的奉仕であったが,後白河院北面にも祗候した。平清盛の近習として祐筆役や,平家領経営などの財務を担当。平宗盛の下では兵糧米・兵士役の賦課徴収を行い,兵站部門で平家軍制を支えた。治承4(1180)年源氏挙兵後,平家の侍大将として平盛澄と共に,大江遠業,河内で源義基,九州で大神惟栄,緒方惟義,菊池隆直らと戦った。文治1(1185)年壇の浦の戦で捕らわれるが,箭造りの名人のため源頼朝に召し出された子宗遠に,身柄が預けられた。<参考文献>角田文衛『平家後抄』
(正木喜三郎)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報