溜預(読み)ためあずけ

精選版 日本国語大辞典 「溜預」の意味・読み・例文・類語

ため‐あずけ ‥あづけ【溜預】

〘名〙 江戸時代、溜に囚人を収容すること。病気の囚人および一五歳未満の囚人を収容して溜に入牢させること。
※禁令考‐後集・第四・巻三三・享保七年(1722)五月「溜預け之事 牢舎申付候ものを最初より溜え遣間敷候」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の溜預の言及

【預】より

…盲人以外の身体障害者も追放刑に代えて親類預とし,あるいは知人,村役人に預けた。溜預(ためあずけ)というのはに収容することで,入牢中の病人を移したり,あるいは遠島刑を科すべき幼年者で親類預ができない場合などに見られた。未決勾留中の者が脱走すれば,吟味中の犯罪に科せられるべき刑より一等重く罰した。…

【溜】より

…江戸では浅草と品川の2ヵ所にあり,町奉行の監督下,非人頭(ひにんがしら)が管理したので非人溜とも呼んだ。溜への収容を溜預(ためあずけ)()といい,入牢中の重病人や無宿の行き倒れ,あるいは15歳に達すれば遠島(えんとう)に処せられるべき幼年者が預け入れられた。処遇は牢屋よりもやや緩和され,病囚には毎日町医が脈をとる程度の診察を行ったが,溜内の衛生状態は劣悪であったという。…

※「溜預」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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