滑込(読み)すべりこむ

精選版 日本国語大辞典 「滑込」の意味・読み・例文・類語

すべり‐こ・む【滑込】

〘自マ五(四)〙
① すべって中にはいる。すべるようにしてそっとはいる。するするとはいる。
人情本春色梅児誉美(1832‐33)初「袖口繻子のぬめりに見ほれけんすべりこんだる風の梅が香」
※感情旅行(1955)〈中村真一郎〉七「汽車は、木枯しのなかを、東北本線K駅のプラットホームへ、滑りこみつつあった」
野球で、走者タッチアウトをさけるためにすべって塁にはいる。
※松蘿玉液(1896)〈正岡子規〉七月二七日「走者は身軽にいでたち,敵の手の下をくぐりて基に達すること必要なり。危険なる場合には基に達する二間許り前より身を倒して辷り込むこともあるべし」
③ やっとのことで時刻に間に合う。
④ 取引市場で、相場が急に下落する。

すべり‐こみ【滑込】

〘名〙
① 野球で、走者がすべって塁に達すること。スライディング。〔ベースボール(攻撃篇)(1927)〕
② やっとのことで定められた時刻に間に合うこと。ぎりぎりにその時刻に間に合うこと。
※地を潤すもの(1976)〈曾野綾子〉三「滑りこみだが、これだと株主総会の前に帰ってこられそうであった」

ぬめり‐こ・む【滑込】

〘自マ四〙 すべり入る。するするとはいり込む。色めいてはいり込む。
評判記色道大鏡(1678)一三「人々うきにういてぬめりこむ故にや、かくなづけけん」

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