精選版 日本国語大辞典 「株主総会」の意味・読み・例文・類語
かぶぬし‐そうかい ‥ソウクヮイ【株主総会】
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議決権を有する株主によって構成され、株式会社の最高意思決定機関であり必要的機関である。会議体の機関であるから、常置の機関ではなく、定時総会または臨時総会として招集され開催される。定時総会とは毎事業年度ごとに定時に開催される総会であり、おもに計算書類の承認、役員の改選などが行われる。臨時総会とは必要がある場合にいつでも開催することができる総会であり、たとえば、事業再編の承認、買収防衛策導入の必要がある場合に開催される。
[戸田修三・福原紀彦]
株主総会は会社内部において会社の意思を決定するだけで、対外的執行をなすものではない。その権限は、旧商法時代では商法および定款に定めた事項に限定されていた(旧商法230条ノ10)。しかし、2005年(平成17)制定の会社法においては、取締役会非設置会社と取締役会設置会社とではその権限が異なることとした。
〔1〕取締役会非設置会社 株式会社に関するいっさいの事項について決議することができる(会社法295条1項)。所有と経営の分離がかならずしも徹底しておらず、その結果、総会権限が大きく、株主の権利が相対的に強化されているからである。
〔2〕取締役会設置会社 会社法または定款に定めのある事項に限定されている(同法295条2項)。設置された取締役会に経営の意思決定権限を大幅に委譲しているため、株主総会の権限は改正前と同様に制限されているからである。
[戸田修三・福原紀彦]
〔1〕決定 株主総会が開催されるには、法定の招集手続を経る必要がある。まず、原則として取締役(取締役会設置会社では取締役会)が決定し(会社法298条1項・4項)、取締役が執行する(同法296条3項)。少数株主によって招集請求がなされることもある(同法297条4項)。
〔2〕招集通知 公開会社の場合には、会日の2週間前までに、総会の日時・場所・議題・書面または電磁的方法による議決権行使を可能とする場合にはその旨(同法298条2項)等を、記載または記録した書面または電磁的方法によって通知しなければならない(同法299条)。非公開会社の場合には、書面または電磁的方法による議決権行使を可能とする旨を定めた場合を除き(この場合には公開会社と同様の手続・方法を要する)、会日の1週間前までに通知を発すれば足りる(同法299条1項)。さらに、その会社が取締役会非設置会社であれば、定款でもって招集通知の期限を1週間より短縮することができ(同法299条1項)、通知の方法に制限はなく(口頭や電話等でもよい)、会議の目的事項の記載または記録を要しない。
〔3〕招集地 どこでもよい。ただし、あまりにも出席しにくい場所にすると、総会決議取消事由にもなりうる(同法831条1項1号)。
〔4〕招集の際の提供書類 取締役会設置会社では、計算書類および事業報告の提供を要する(同法437条)。書面投票・電子投票を採用する株主総会と、議決権を有する株主数が1000人以上の会社の株主総会では、議決権行使書面・電磁的手段および参考書類の交付を要する(同法301条、302条)。ウェブ開示制度を利用し、招集通知と参考書類を送付しないこともできる(会社法施行規則94条・133条1項、会社計算規則161条4項・162条4項)。
〔5〕招集手続の省略 書面または電磁的方法による議決権行使ができる旨定めた場合を除き、議決権を有する株主全員の同意があるときは、招集手続を省略して株主総会を開催することもできる(会社法300条)。議決権を有する株主全員が出席する場合には、招集手続を経ていなくても株主総会を開催することができる。
[戸田修三・福原紀彦]
株主総会の決議要件は、決議事項の重要性に照らし、次の3種類がある。
〔1〕普通決議 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数にあたる株式を有する株主が出席し(定足数)、その出席株主の議決権の過半数をもって決する(会社法309条1項)。定足数は定款で変更できるが、その変更は、取締役・会計参与・監査役の選解任決議では制約があり、総株主の議決権の3分の1未満とすることはできない(同法341条)。法定の普通決議事項としては、取締役等の選任(同法329条)・解任(同法339条)、計算書類の承認(同法438条2項)などである。
〔2〕特別決議 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数にあたる株式を有する株主が出席し(定足数)、その出席株主の議決権の3分の2以上にあたる多数をもって決する(同法309条2項)。定款により定足数は議決権の3分の1までは軽減することができ、また、要件を加重することもできる。法定の特別決議事項としては、会社法309条1号から12号において定められており、第三者に対する募集株式有利発行、監査役の解任、会社の組織変更行為などである。
〔3〕特殊の決議 特別決議よりもさらに厳重な決議方法である。(1)議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主の議決権の3分の2以上の多数をもってなす決議(同法309条3項。たとえば、全株式に譲渡制限を付するための定款変更)。(2)総株主の半数以上であって、当該株主の議決権の4分の3以上の多数をもってなす決議(同法309条4項。たとえば、非公開会社で株主の人的属性に基づいて権利内容に差を設ける場合)。
[戸田修三・福原紀彦]
『陣川公平著『これならわかる!「株主総会」のすべて――はじめて行く人のための』(2007・PHP研究所)』▽『中村直人著『役員のための株主総会運営法』(2007・商事法務)』▽『東京弁護士会会社法部編『新 株主総会ガイドライン』(2007・商事法務)』▽『中央三井信託銀行証券代行部編『株式実務株主総会のポイント』全訂版(2007・財経詳報社)』
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(高橋宏幸 中央大学教授 / 2007年)
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…すなわち,48年に株金分割払込制度を廃止したのに続いて,50年にはアメリカの制度を広範にとり入れた大改正が行われた。それは,(1)授権資本制度等を採用することにより資金調達の便宜を図る,(2)株主総会の権限を縮小すると同時に取締役会制度・監査役制度を改正して会社運営機構を合理化する,(3)少数株主権の強化,取締役の責任の厳格化等により株主の地位の強化を図る,ことを主眼点とするものであった。その後の株式会社法の改正としては,62年の計算(企業会計)を中心とする商法改正,資本自由化を前にした66年の株式の譲渡制限・譲渡方法等に関する改正,粉飾決算にからむ大型倒産を機に監査役の地位強化と会計監査人制度の導入を柱とした74年改正等が行われたが,74年改正の直後から,会社法の全面的見直しおよび改正の作業が始まり,81年に改正が実現した。…
※「株主総会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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