…この系譜は昭和に入っては中原中也や太宰治の文学につながり,芥川における東方と西方の対立はその弟子堀辰雄を経て戦後の福永武彦や遠藤周作まで受け継がれてゆくこととなる。ただこれら大正から昭和にかけての文学者たちのほとんどがキリスト者ではなかったのに対して,戦後文学が椎名麟三,遠藤周作,曾野綾子,小川国夫をはじめ多くのキリスト者作家を生み出していることは注目すべきであろう。これは椎名におけるドストエフスキーや遠藤におけるF.モーリヤックの受容にもみられるように,大戦後の状況のなかで文学と宗教をめぐる問題が日本でも,ようやく存在論的視角を持ちはじめたことの証左でもあろう。…
※「曾野綾子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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