日本大百科全書(ニッポニカ) 「潮帆」の意味・わかりやすい解説 潮帆しおぼ 船底の下に張り、潮流の力を利用する帆。対馬(つしま)において使用されている独特の船具で、その他の海域にも若干は伝わっている。「しおほ」とも読む。一種の海錨(かいびょう)(シーアンカー)ともいえるが、目的は違う。風に対して帆を張ると同じように、潮の流れに対して船底下に張る。畳2枚か3枚分の広さをもつ長方形の布製で、上下端をブーム(円材の桁(けた))で留め、下部にはいくつかのおもりがつけられている。潮にのって進みたいときは横向きにいっぱい広げたり、釣りのとき、風に逆らって船を定位置に止めるなどの使い方をする。[茂在寅男] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例