国指定史跡ガイド 「火箱岩洞窟」の解説
ひばこいわどうくつ【火箱岩洞窟】
山形県東置賜(ひがしおきたま)郡高畠町時沢にある洞窟遺跡。大師森山の南斜面にある凝灰岩の巨岩が侵食、風化によってできた洞窟で、上洞と下洞の2つの洞窟からなる。1960年(昭和35)、安彦好重らによって発見され、1961~1963年(昭和36~38)に発掘調査が行われた。上洞は、縄文時代前期から古墳時代、下洞は縄文時代草創期から古墳時代に住居として使われていた。下洞は大きく、隆起線文土器、爪形文(つめがたもん)土器、押圧(おうあつ)縄文土器が良好な状態で出土していることで有名。1983年(昭和58)、近隣の日向(ひなた)洞窟、大立洞窟、一の沢洞窟に次いで国指定史跡になった。JR山形新幹線ほか高畠駅から車で約30分。