火花点火機関(読み)ひばなてんかきかん(英語表記)spark-ignition engine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「火花点火機関」の意味・わかりやすい解説

火花点火機関
ひばなてんかきかん
spark-ignition engine

燃料蒸気と空気との可燃混合気中で,点火プラグの電極間の火花放電により点火し,あとは火炎伝播により全可燃混合気を燃焼させる内燃機関。自動車用ガソリン機関が最も代表的な例である。これに対して,空気だけを圧縮して高温とし,これに燃料を噴射して,自発火燃焼させるものを圧縮点火機関 (またはディーゼル機関) という。また,火花点火機関は燃焼上シリンダあたりの行程容積は大きくできず,圧縮比や過給圧力もあまりふやせないが,回転数の制限は圧縮点火機関よりもゆるいので,一般的には小出力,高速に適している。

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世界大百科事典(旧版)内の火花点火機関の言及

【内燃機関】より

…熱機関のサイクルは圧縮,加熱,膨張,冷却からなるが,内燃機関の場合,加熱は作動流体の燃焼,冷却はガス交換過程により行われるから,1サイクルは圧縮,燃焼,膨張およびガス交換過程となる。 内燃機関のうち作動流体として空気と燃料の混合気を利用し,これを圧縮し,火花点火して燃焼させるのが火花点火機関(ガソリンエンジンなど)で,空気をまず圧縮して高温にし,その中に燃料を噴射して着火・燃焼させるのが圧縮点火機関(ディーゼルエンジン)である。理想化された内燃機関が行う熱力学上のサイクルは,加熱(燃焼)様式により3通りある。…

※「火花点火機関」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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