気体の放電形式の一つ。気体中の電極間が導電性の放電路で結ばれることを全路破壊と呼ぶが,全路破壊にいたる過渡的な放電をいう。気体の圧力が大気圧付近あるいはそれ以上では,気体中の電極間に電圧を加え印加電圧を上昇していくと,ある一定電圧で火花が散るような光と音を伴った放電が発生するので,明確に火花放電の発生を知ることができる。この電圧を火花電圧と呼ぶ。低気圧ではこれに比べてやや連続的に変化するので,平等電界の場合非自続放電(暗流)から自続放電へ移行する過渡的な放電と定義される。一般に不平等電界では局部破壊(自続放電)であるコロナ放電から全路破壊にいたる過渡的放電をいう。火花放電が発生した後は気体の圧力,電極形状,回路条件などにより,アーク放電,グロー放電,タウンゼント放電のいずれかの放電形式をとる。
→放電
執筆者:河野 照哉
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…ところが大気に加わる電位差が1mあたり5×105Vをこえると,この絶縁が破壊され(大気の電離破壊が起こり),火花がとんで,瞬間的に電流が流れる。この種の放電を火花放電,スパークとよぶ。自然が起こす火花放電が雷で,このとき放射される光が電光,稲妻,あるいは稲光lightningで,音が雷鳴thunderである。…
※「火花放電」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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