炭化ウラン(読み)タンカウラン

化学辞典 第2版 「炭化ウラン」の解説

炭化ウラン
タンカウラン
uranium carbide

ウラン炭化物.一炭化ウランUC,二炭化ウランUC2,三炭化二ウランU2C3などが知られている.UCは灰色の金属様結晶.融点2625 ℃.ウランと炭素を等モル量混合し2100 ℃ で加熱,あるいはウランとメタンとを600~800 ℃ で加熱すると得られる.粉末は空気中で徐々に酸化され,高温では発火する.高融点,高硬度,熱伝導性がよいという金属的性質を示すため,液体金属冷却炉の核燃料として期待されている.UC2黒色の金属様結晶.融点約2480 ℃.ウランまたはUO2に化学量論比の炭素を混合し2400 ℃ で加熱すると得られる.空気中では300 ℃ まで安定であるが,加熱すると容易に発火する.高温ガス炉の核燃料として用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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