点接触型トランジスタ(読み)てんせっしょくがたトランジスタ(英語表記)point contact transistor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「点接触型トランジスタ」の意味・わかりやすい解説

点接触型トランジスタ
てんせっしょくがたトランジスタ
point contact transistor

半導体単結晶の表面にきわめて近接して (100μm以下) 2本の細い金属針を立てた構造のトランジスタ。金属針の一方がエミッタ,他方がコレクタゲルマニウムを載せた電極がベースである。エミッタとベース間に順方向バイアス (エミッタ側に正電圧) ,コレクタとベース間に逆方向バイアス (コレクタ側に負電圧) が加えられる。エミッタ電流の変化が2~3倍に増幅されてコレクタ電流の変化となる。n型ゲルマニウムを用いた点接触型トランジスタは,1948年に W.ショクリー,W.ブラッティン,J.バーディーンが初めてトランジスタを発明したときに用いた構造であるが,機械的,電気的に不安定で雑音も多いため,その後実用的な接合型トランジスタが開発されると,その動作原理もよくわからないままほとんどかえりみられなくなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android