為て遣る(読み)シテヤル

デジタル大辞泉 「為て遣る」の意味・読み・例文・類語

して‐や・る【為て遣る】

[動ラ五(四)]
思いどおりにうまくやりおおせる。うまくだまして思いどおりにする。「―・ったりとほくそえむ」「まんまと―・られる」
だまし取る。
適々たまたま手にふれし銀子を―・り」〈浮・一代男・二〉
十分に食べる。くらう。食う。
「こはだをむりりむりりとあたまから―・りながら」〈滑・浮世風呂・前〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「為て遣る」の意味・読み・例文・類語

して‐や・る【為遣】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 思いどおりにうまくかたづける。首尾よくやりおおせる。「してやった(り)」の形で感動詞的に用いることもある。
    1. [初出の実例]「是に雁がある、これはとりたい物じゃ〈略〉先雁はしてやった」(出典:狂言記・雁争(1700))
  3. ごまかしてうまく取る。だまし取る。盗み取る。せしめる。
    1. [初出の実例]「適々(たまたま)手にふれし銀子をしてやり」(出典浮世草子好色一代男(1682)二)
  4. 思う存分食べる。くらう。
    1. [初出の実例]「食事飽(あく)までしてやり」(出典:浮世草子・人倫糸屑(1688)血気勇者)

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