無定形質(読み)ムテイケイシツ

化学辞典 第2版 「無定形質」の解説

無定形質
ムテイケイシツ
amorphous substance

固体から液体への転移が不連続的に起こらず,したがって,固体・液体の区別が明瞭ではなく,同一状態においても,そこに至る条件によってまったく異なった性質を示すような固体を無定形質という.典型的な結晶質である水晶ダイヤモンド(あるいはグラファイト)に対して,それぞれ化学的組成が同一の石英ガラス木炭は無定形質であり,最近広く用いられている有機高分子物質の多くも無定形質である.[別用語参照]無定形状態

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の無定形質の言及

【結晶】より

…すなわち,対称の種類が問題となるのは,図形や物体が異方的である場合に限られる。 均質な固体物質が図3のaのようにある性質について異方的であるとき,その物質は結晶質crystallineであるといい,あらゆる性質が図のbのように等方的であるとき,その物質は無定形質あるいは非晶質(アモルファスamorphous)であるという。結晶質の物質の中には,ある性質については異方的であるが,他の性質については等方的であるようなものもある。…

※「無定形質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android