無機分析(読み)むきぶんせき(その他表記)inorganic analysis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「無機分析」の意味・わかりやすい解説

無機分析
むきぶんせき
inorganic analysis

元素や無機物質を対象とする分析の総称化学をその取り扱う物質の種類によって無機化学有機化学とに大別した場合に、無機化学で取り扱うすべての物質がその対象となる。無機物質、すなわち炭素を含まない物質と、簡単な炭素化合物が対象となるので、対象となる元素の種類や数は有機物質よりもはるかに多い。無機物質中に含まれる成分(原子種原子団分子種同位体など)の種類を求める分析法を無機定性分析、その操作を定性または検出といい、成分の含量を求める分析法を無機定量分析、その操作を定量という。現在知られている優れた分析法のなかには、すでに18世紀から用いられているものも多く、また、新しい分析法の発見とともに、方法が精密を極めるようになっている。歴史的にも元素の発見や原子量の精密決定などに果たした役割は大きい。

[高田健夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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