焼け野の雉夜の鶴(読み)ヤケノノキギスヨルノツル

デジタル大辞泉 「焼け野の雉夜の鶴」の意味・読み・例文・類語

きぎすよるつる

《すんでいる野を焼かれたキジ自分の命にかえてもその子を救おうとし、また、寒い夜に鶴が自分の羽でその子を暖めるところから》親が子を思う情の深いことのたとえ。

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関連語 実例 初出

精選版 日本国語大辞典 「焼け野の雉夜の鶴」の意味・読み・例文・類語

やけの【焼野】 の 雉(きぎす)(よる)の鶴(つる)

  1. 雉は巣を営んでいる野を焼かれると、わが身を忘れて子を救おうと巣にもどり、巣ごもる鶴は霜などの降る寒い夜、自分の翼で子をおおうというところから、親が子を思う情の切なることのたとえにいう。焼野の雉。夜の鶴。
    1. [初出の実例]「焼け野の雉夜の鶴、梁(うつばり)の燕に至るまで、子ゆゑ命を捨つるなり」(出典謡曲・丹後物狂(1430頃))

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ことわざを知る辞典 「焼け野の雉夜の鶴」の解説

焼け野の雉夜の鶴

親は深い愛情で子のことを思い、自ら犠牲にしてでも子を守ろうとすることのたとえ。雉は野を焼かれると、わが身を忘れて子を救いだそうとして、巣にもどって焼け死ぬという。また鶴は、霜の降りる寒い夜、自分の翼で子をおおって守るという。

[解説] 「雉」は「雉子」と書くことも多く、また、「焼け野の雉」「夜の鶴」をそれぞれ単独でも使います。

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