熊泊村(読み)くまどまりむら

日本歴史地名大系 「熊泊村」の解説

熊泊村
くまどまりむら

[現在地名]茅部郡南茅部町字大船おおふね・字双見ふたみ・字岩戸いわと

明治六年(一八七三)から同三九年までの村。現町域の北西端近くにあたる。太平洋に面した狭小な海岸部を中心に集落がある。近世には箱館六箇場所の一つ尾札部おさつべ場所のうちで、昆布・鱈・鰯・鯡などの漁が行われた。享保十二年所附に「一 おさつ辺 (中略)熊泊り 磯屋 ところ」などが記される。一七八〇年代の「松前国中記」では尾札部場所の小名として「(ク)マトマリ」とみえる。寛政一二年(一八〇〇)六箇場所が「村並」となり(休明光記附録)、天保郷帳の臼尻うすじり持場のうちに熊泊とある。松浦武四郎は鹿部しかべ(現鹿部町)方面から南東に向い、磯谷いそやを通ってクマトマリに至り、「人家十七八軒。小商人壱軒、昆布小屋多し。村中に小流有」と記している。ヲタハマは「木立陰森として巨材を出す」という。また、「此辺りニ箱館西在并箱館町内、大野在中より出稼の人は中々すさまじき事ニ而、其多き年には浜ニ小屋を建而是ニ住居し居るニ、其取りし昆布の干場も無」と昆布漁の盛んな様子に言及している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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